ジョージスチュアートティでは高品質なスリランカの紅茶をカジュアルに楽しんでいただけるよう、特別なティーセットなどを必要としない「ティーバッグ」中心の商品展開をしています。
ただ、“高品質なのに簡単”というギャップにむしろとまどいを覚える方もいるのではないでしょうか?
「ただお湯を注ぐだけで本当にいいの?」
「紅茶をおいしくいれるコツがあるなら知りたいんだけど」
「水はやっぱりミネラルウォーターがいいのかな?」
そんなみなさまの疑問を解消するために、ここではジョージスチュアート流「おいしい紅茶のいれ方」を紹介します。
…とはいえ基本的な部分は紅茶全般に共通するものなので、ジョージスチュアートティを購入してくださった方はもちろん、他ブランドの紅茶を飲もうと思っている方もぜひ参考にしてみてください。
おいしい紅茶をいれるための8ステップを紹介!ティーバッグにも応用可能
結論から申し上げますと、おいしい紅茶をいれるコツは茶葉から的確に味や香りを抽出することです。
それを具体的な工程に落とし込むと、次の8ステップになります。
- ポットやカップを温めておく
- 茶葉とお湯をきちんと計量する
- お湯には“汲みたての水道水”を使う
- 沸かしたてのお湯を使う
- お湯はなるべく茶葉に直接あたらないように注ぐ
- 抽出時間をきちんと計測する
- 抽出中はポットやカップを保温する
- 最後の一滴まで注ぎ切る
①ポットやカップを温めておく
紅茶をおいしくいれる重要なポイントのひとつが温度です。
茶葉から紅茶の旨みや香りを引き出すためには、なるべく高い温度を維持しなければいけません。
ただ、お湯をきちんと沸かすだけでは不十分です。
特に冬場はティーポットもカップもキンキンに冷えているため、お湯を注いでいるそばからどんどん温度が下がってしまいます。
紅茶をいれるとき、飲むときに使うティーポットやカップは事前に温めておきましょう。
②茶葉とお湯をきちんと計量する
どのブランドの紅茶にも、基本的に「茶葉の量と湯量」や「ティーバッグ1個あたりの湯量」に関する記載があります。
これは、紅茶のおいしさを最大化するためにプロが設定した指標です。
逆を言えば、指定した茶葉の量と湯量から逆算して紅茶がおいしくなるように商品設計をしているため、そのバランスが崩れると味や香りの充分な抽出が難しくなります。
そのため、茶葉やお湯が適正量となるようにきちんと計りましょう。
③お湯には“汲みたての水道水”を使う
どんな水を使うのかも紅茶のおいしさを決めるポイントです。
ただし紅茶のおいしさは茶葉に詰まっているため、水そのもののおいしさよりも「茶葉から旨み・香りを抽出できる水かどうか」のほうが重要になってきます。
ズバリ、茶葉から紅茶の成分を抽出するために必要なのは、水に含まれる酸素の働きです。
茶葉は乾燥しているため、お湯を注いだ時点では浮き上がりますが、お湯を吸い込んで重くなると沈んでいきますよね。
ただ、水に酸素が含まれている場合はさらに「酸素が茶葉を持ち上げる→酸素が抜けて茶葉が沈む(=ジャンピング)」という動きが加わり、より効率よく紅茶の味・香りを抽出できます。
そんな“酸素を含んだ水”の代表格は汲みたての水道水です。
もちろん、市販のミネラルウォーターやウォーターサーバーの水を絶対に使ってはいけないわけではありません。
ただし、水の中の酸素は時間の経過とともに抜けていくため、ジャンピングによる成分の抽出が期待できない点には注意してください。
④沸かしたてのお湯を使う
一般的に、紅茶は熱湯(95~100℃)でいれるのがベストとされています。
ただし、ジョージスチュアートティの紅茶はそこまで高温でなくても味・香りをしっかりと抽出できる設計になっているため、目安としては90℃もあれば充分です。
ただし、水の中の酸素は時間の経過とともに抜けるだけでなく、温度の上昇によっても減少します。
そのため、おいしい紅茶をいれたい場合は沸かしたてのお湯を使いましょう。
以下のようなお湯は、温度に問題がなくても酸素含有量の観点から充分な旨み成分の抽出ができない可能性が高いので注意してください。
・ウォーターサーバーのお湯
・電気ポットのお湯
・沸騰後も火にかけ続けたお湯
・沸かし直したお湯
⑤お湯はなるべく茶葉に直接あたらないように注ぐ
リーフティーの場合はティーポットへ、ティーバッグの場合はカップへお湯を注ぐときにも注意が必要です。
乾燥状態の茶葉は感度が高く、お湯が直接あたると必要以上に渋味が出てしまいます。
そのため、以下のように茶葉がたまったお湯に少しずつ浸っていくような注ぎ方を心がけましょう。
・茶葉を端に寄せて、茶葉のないところからお湯を注ぐ
・ティーポットやカップの側面に向かってお湯を注ぐ
そうすることで、紅茶の旨みや香りをじっくりと的確に抽出することができます。
⑥抽出時間をきちんと計測する
茶葉やお湯の量と同じように、抽出時間もきちんと計ったほうが味は安定します。
紅茶のパッケージなどに記載がある場合はその時間、特に記載がなければ1〜3分が抽出時間の目安です。
紅茶は抽出時間が短いほどすっきりした味わいに、長いほど重厚な味わいになります。
ただし、次の2点は頭に入れておきましょう。
・紅茶の旨みや香りは3分程度で充分に抽出される
・旨みや香りが出尽くした茶葉からは渋味しか抽出されない
どうしても濃い紅茶を飲みたい場合は、抽出時間ではなく茶葉の量で調整するのがおすすめです。
また、おいしい紅茶をいれるために最適な抽出時間は使用する水の硬度によっても変わります。
基本的には硬度が低いほど旨み・香りを抽出しやすく、硬度が高いほど旨み・香りは抽出しづらいです。
ちなみに、世界保健機関(WHO)が定義している水の硬度は以下の4分類です。
・軟 水:硬度0~60mg/l未満
・中 硬 水:硬度60~120mg/l未満
・硬 水:硬度120~180mg/l未満
・非常な硬水:硬度180mg/l以上
日本の水道水は上記の“軟水~中硬水”に該当します。
⑦抽出中はポットやカップを保温する
繰り返しになりますが、温度は紅茶をおいしくする重要なポイントです。
そのため、抽出中のティーポットにティーコジーをかぶせるなど、高温を維持できるような工夫をしましょう。
ティーコジーがない場合は、大きめのタオルなどでも代用可能です。
また、ティーバッグとカップで紅茶をいれる場合もフタやタオルなどによる保温がおすすめです。
⑧最後の一滴まで注ぎ切る
ティーポットで紅茶をいれた場合、カップへの注ぎ方によっても味が変わります。
紅茶の旨みや渋味の抽出量が抽出時間(茶葉がお湯に触れている時間)の長さに比例して増えるのは前述のとおりです。
そのため、抽出完了後すぐにカップへ注いだ紅茶のほうがすっきりとした味わいになります。
また、複数のカップへ紅茶を注ぐ場合は以下のポイントに注意しましょう。
・紅茶は注ぎ始めのほうが成分は少なく、色が薄い
・紅茶は注ぎ終わりのほうが成分は多く、色が濃い
色・量が同じになるように細かく注ぎ分けることで、味わいも均一になります。
なお、紅茶の最後の一滴は「ゴールデンドロップ」と呼ばれる旨みのかたまりなので、いれた紅茶はかならず注ぎ切るようにしてください。
おいしい紅茶のいれ方【アイスティーの場合】
「自宅でアイスティーを作ってみたけど、何かイマイチ…」
きっと多くの方がそんな経験をしているのではないでしょうか。
ただ、ご安心ください。作り方をちょっと改善すれば、お店で飲むようなおいしいアイスティーを自宅で楽しむこともできるようになります。
①紅茶は少なめのお湯で濃く抽出する
自宅で作るアイスティーがイマイチな原因としてもっとも多いのは「紅茶の水出し」です。
“放置しておくだけ”の水出しは確かに便利ですが、やはり温度の高いお湯でないと紅茶の味・香りを充分に抽出することはできません。
アイスティーを作る場合もお湯を沸かし、前章で紹介した3つのポイントを踏まえて紅茶をいれてください。ただし、お湯の量を少なめ(飲みたい量の半分程度)にして濃いめに抽出するのがポイントです。
②グラスいっぱいの氷で一気に冷やす
抽出が完了したら、アツアツの紅茶をたっぷり氷を入れたグラスに注いで一気に冷やしましょう。氷は用意できるなら雑味のない市販のものがベターです。
以上、“お湯でいれた紅茶を冷やす”という簡単な話ですが、これだけで香り豊かなアイスティーを楽しめます。ぜひお試しください。
ちなみに、時間をかけて紅茶を冷ましたり冷やしたりすると、カフェインとタンニンが結合して紅茶が白濁(=クリームダウン)することがあります。
クリームダウンによる味や品質への影響はありませんが、見た目の美しさを保つためにも“一気に冷やす”ことを心がけましょう。
もちろん、ストレートだけでなくフルーツやミントなどでアレンジを加えてもOKです。
おいしい紅茶のいれ方【ミルクティーの場合】
次は、おいしいミルクティーの作り方です。
①ミルクティーに最適な茶葉を選ぶ
紅茶の味・香りは茶葉によって大きく変わってきます。その中からミルクティーに合うものを選ぶのが1つめのポイントです。
ご自身でその判断ができなくても問題ございません。商品紹介ページなどで「ミルクティーにおすすめ」と謳っているものを選べばOKですし、そのような記載がなければメーカーに問い合わせて教えてもらいましょう。
ちなみにジョージスチュアートティの場合、ミルクティーにするならウヴァとイングリッシュブレックファストがおすすめです。
②紅茶を濃くいれる
自分でミルクティーを作ってはみたものの、味が薄い…水っぽい…。そんな経験のある方もいるのではないでしょうか?
その原因は「紅茶の濃度」。牛乳で割ることが前提なので、次のいずれかの方法で紅茶を濃いめに抽出すれば解決できます。
・お湯の量を減らす
・茶葉の量を増やす
お湯を減らすならメーカー基準の半分、茶葉を増やすならメーカー基準の2倍を目安にしてみてください。あとは好みに合わせて調整していただければOKです。
ちなみに、抽出時間を長くしても紅茶は濃くなりますが、同時に渋味も強く出てしまうためおすすめしません。
③牛乳は常温に戻してから加える
ミルクティーには、コーヒーフレッシュなどのクリームよりも牛乳(できれば低温殺菌のもの)がおすすめです。
ただし、冷蔵庫で冷えた牛乳をそのまま入れると紅茶がぬるくなってしまいますので、常温に戻してから加えましょう。
電子レンジで30秒ほど加熱していただき、触ってみて常温以上になっていればOKです。
おいしい紅茶のいれ方【レモンティーの場合】
自分で作ると変な苦味・渋味が出てしまいがちなレモンティーも、次の2つを意識するだけで格段においしくなります。
①レモンティーに最適な茶葉を選ぶ
まずはミルクティーと同じで、レモンティーに最適な茶葉を選ぶことが大切です。
紅茶は主要成分であるタンニンが多いほど重厚な味わいになりますが、一方で苦味も強くなります。
そのため、レモンティーにはキャンディやディンブラなど、タンニン含有量が少なめの茶葉がおすすめです。
②レモンの入れっぱなしは厳禁
紅茶メーカーや飲食店がレモンティーを撮影する場合、どうしても上のような「レモンの輪切りが入った紅茶」になってしまうのですが…。
こういう写真を見て、紅茶にレモンを入れっぱなしにすることが実はレモンティーが苦くなる1番の原因です。
レモンにはレモノイドという苦味成分があり、レモンを入れ続けると紅茶にレモノイドがどんどん流れ込みます。さらに、レモノイドとタンニンが混ざり合うことで強い苦味・渋味が生まれます。
そのため、レモンティーを作る場合は次のようなレモンの使い方をしてみてください。
①レモンはなるべく薄切りにする(2~3mm程度で充分)
②皮・内側の白いわたを取り除く
※レモノイドは皮に多く含まれています
③紅茶にレモンを浮かべ、やさしくかき混ぜたらすぐにレモンを取り出す
「レモンの酸味をしっかりと紅茶にうつす」というよりは「ほんのりとレモンの香りがつけばOK」くらいのイメージです。
フルーティーな味・香りを強調したい場合は、レモンではなくオレンジなど他の柑橘類を使いましょう。
砂糖は雑味のないグラニュー糖がおすすめ
甘い紅茶が好きな方は、もちろん砂糖を入れていただいてOKです。できればグラニュー糖を使っていただくと、茶葉本来の風味を生かしつつ自然な甘みをプラスすることができます。
以上を踏まえ、私たちがイメージしている味をぜひ1度はお試しください。ただ、ここでお伝えした内容を過剰に意識する必要はございません。
味の好みは人それぞれですし、気候やコンディションによっても飲みたい紅茶のタイプは変わってきます。そういった感覚も大切にしてください。
自分好みに味を調整できる。それこそが“自宅でいれる紅茶”の醍醐味です。
そのうえで、紅茶をおいしくいれるヒントを何か1つでもここから拾っていただければ幸いです。