突然ですが、みなさんは「ハーブティー」についてどれくらい知っていますか?
「リラックス効果がある?」
「ノンカフェイン?」
「寝る前にカモミール?」
これくらいの情報量で止まっている方、わりと多いのではないでしょうか。
そして、今回のコラムはそんな方にこそぜひ読んでいただきたい内容となっています。
たとえばハーブティーに使われるハーブ、何種類くらいあると思いますか?
結論から言いますと、本コラムの執筆にあたって調べただけで約100種類(おそらくまだまだあります)。そして、リラックス効果はハーブティーの作用の一部にすぎません。ハーブがもたらす効果はその種類によって様々です。
そんなハーブティーの基本情報、おいしいハーブティーのいれ方、ハーブティーを楽しむうえでの注意点をお伝えしていきたいと思います。
身体にやさしいハーブティーの基礎知識
ハーブティーは、簡単に言うと植物の葉・茎・花などから味・香りを抽出した飲み物です。
チャノキの葉を主原料としている紅茶・緑茶・烏龍茶などとは異なり、使用する植物によって様々な味や香りを楽しめます。
ハーブティーはカフェインレス
ハーブティーの魅力として広く知られているのは、カフェインレス(=カフェインの含有量が少ない)ということです。
実際、ノンカフェインのハーブティーもありますので、健康上の理由からカフェインの摂取を控えている人にとってはうれしいポイントですよね。
ただ、1つだけ注意していただきたいのですが…。
実は「すべてのハーブティー=ノンカフェイン(カフェインが含まれない)」ではありません。
後述しますが、中にはカフェインを含むハーブティーもあるということを頭に入れておきましょう。
使用するハーブごとに異なる様々な効果がある
・リラックス効果
・自律神経を整える効果
・安眠を促す効果
ハーブティーにこのような効果があることは多くの方がご存知だと思いますが、ハーブの種類が違えば当然その効果も変わってきます。
全97種類のハーブについて、それぞれどのような悩み・症状を緩和する効果があるのかを以下にまとめました。
ハーブの種類 | 悩み・症状 |
---|---|
アーティチョーク | 夏バテ、肝機能の低下 |
アイブライト | 眼精疲労、花粉症 |
アニスシード | 風邪、口臭、下痢、便秘 |
アルファルファ | 疲労、夏バテ、むくみ |
アンゼリカルート | 風邪、胃もたれ、便秘、更年期障害 |
エキナセア | 花粉症、風邪、肌荒れ、ニキビ、口臭、むくみ |
エルダーフラワー | 夏バテ、花粉症、風邪、肌荒れ、シミ、冷え |
オートムギ | 緊張、眼精疲労、更年期障害 |
オリーブ | 風邪 |
オレガノ | 頭痛、風邪、口臭 |
オレンジピール | 不安、気落ち、不眠 |
オレンジブロッサム | 不安、気落ち |
カモミール | 苛立ち、不安、不眠、頭痛、花粉症、風邪、肌荒れ、口臭、 胃もたれ、下痢、便秘、貧血、生理痛、更年期障害 |
ギムネマ | 高血糖 |
キャットニップ | 風邪、下痢、便秘 |
キャラウェイ | 風邪、下痢、生理痛、産前・産後の悩み |
ギンコウ | 集中力の欠如、 |
クリーパーズ | 風邪、便秘 |
コーンシルク | むくみ |
ゴツコーラ | 集中力の欠如、シミ、ニキビ |
コリアンダー | 便秘 |
コルツフット | 風邪 |
サフラワー | 貧血、生理痛、更年期障害、冷え |
サマーセイボリー | 便秘、冷え |
シェパーズパース | 下痢、むくみ |
ジャスミン | 気落ち、口臭 |
ジュニパーベリー | むくみ |
ジンジャー | 苛立ち、疲労、風邪、胃もたれ、冷え |
スイートバジル | 気落ち |
スカルキャップ | 不安、緊張、眼精疲労、ニキビ、生理痛 |
セージ | 風邪、口臭 |
セロリシード | 便秘、むくみ |
セントジョンズワート | 苛立ち、不安、緊張、気落ち |
ソーパルメット | 前立腺機能の低下 |
タイム | 気落ち、眠気、集中力の欠如、花粉症、風邪、 下痢、便秘 |
ダンデリオン | 夏バテ、肌荒れ、ニキビ、便秘、肝機能の低下、貧血、 生理痛、産前・産後の悩み、むくみ |
チェストツリー | 生理痛、更年期障害 |
チコリ | 便秘、肝機能の低下 |
トゥルシー | 苛立ち、不安、緊張、疲労、気落ち、風邪、胃もたれ |
ネトル | 花粉症、肌荒れ、ニキビ、便秘 |
バードックルート | ニキビ、便秘 |
バーベイン | 不安、緊張、気落ち |
ハイビスカス | 疲労、夏バテ、眼精疲労、シミ、産前・産後の悩み |
パセリ | 花粉症 |
バタフライピー | 眼精疲労、冷え、むくみ |
パッションフラワー | 苛立ち、不安、不眠、頭痛、更年期障害、冷え |
バレリアン | 不安、不眠、眼精疲労、貧血、更年期障害 |
ヒース | むくみ |
ヒソップ | 不安、眠気、風邪 |
ビルベリー | 眼精疲労、高血糖 |
フィーバーフュー | 頭痛、生理痛 |
フェヌグリーク | 産前・産後の悩み |
フェンネル | 風邪、下痢、便秘、産前・産後の悩み、むくみ |
ブラックコホシュ | 生理痛 |
ホーステール | 集中力の欠如 |
ホーソンベリー | 集中力の欠如 |
ホップ | 緊張、不眠、更年期障害 |
ボリジ | 産前・産後の悩み |
マーシュマロウ | 風邪、下痢 |
マジョラム | 不眠、風邪、肝機能の低下 |
マテ | 疲労、集中力の欠如、眼精疲労、貧血 |
マリーゴールド | 花粉症、肌荒れ、ニキビ、下痢、生理痛、更年期障害、 むくみ |
マルベリー | 肝機能の低下 |
マレイン | 風邪 |
マロウブルー | 風邪 |
ミルクシスル | ニキビ、肝機能の低下、産前・産後の悩み |
ミント | 苛立ち、不安、不眠、眠気、夏バテ、頭痛、花粉症、 風邪、ニキビ、口臭、胃もたれ、便秘、二日酔い、 肝機能の低下、生理痛 |
メドゥスイート | 風邪、胃もたれ、肝機能の低下 |
ヤロウ | 風邪、生理痛、冷え |
ユーカリ | 風邪 |
ラズベリーリーフ | 下痢、産前・産後の悩み |
ラベンダー | 苛立ち、不安、緊張、疲労、気落ち、頭痛、 下痢、更年期障害 |
リコリス | 頭痛、花粉症、風邪、肝機能の低下 |
リンデン | 不安、緊張、気落ち、不眠、風邪、二日酔い、 更年期障害、冷え |
ルイボス | 花粉症、肌荒れ、シミ、二日酔い、肝機能の低下 |
レッドクローバー | 花粉症、風邪、肌荒れ、ニキビ、更年期障害 |
レディスマントル | 生理痛 |
レモングラス | 苛立ち、気落ち、不眠、眠気、夏バテ、胃もたれ、 二日酔い、むくみ |
レモンバーベナ | 苛立ち、眠気、夏バテ、二日酔い |
レモンバーム | 苛立ち、不安、緊張、気落ち、不眠、眠気、頭痛、 眼精疲労、風邪、口臭、胃もたれ、下痢、便秘、 二日酔い、更年期障害、冷え |
レモンピール | 苛立ち、疲労、夏バテ、風邪、シミ、ニキビ |
ローズ | 気落ち、不眠、花粉症、肌荒れ、便秘、更年期障害 |
ローズヒップ | 疲労、夏バテ、花粉症、風邪、肌荒れ、シミ、ニキビ、 便秘、貧血 |
ローズマリー | 緊張、気落ち、眠気、集中力の欠如、更年期障害、冷え |
ワイルドストロベリー | 胃もたれ、下痢、肝機能の低下 |
アシュワガンダ | 疲労 |
ターメリック | 肝機能の低下 |
カルダモン | 便秘 |
クローブ | 風邪、口臭 |
シナモン | 夏バテ、花粉症 |
カキの葉 | 疲労、夏バテ、風邪、肌荒れ、シミ |
クマザサ | 風邪、口臭、胃もたれ |
ゲットウ | 肌荒れ |
ゲンノショウコ | 胃もたれ |
シソ | 緊張、疲労、花粉症、風邪、冷え |
ドクダミ | 風邪、便秘、肝機能の低下、冷え、むくみ |
ハトムギ | 疲労、肌荒れ、シミ、胃もたれ、下痢、便秘、むくみ |
ジョージスチュアートティのハーブティー
先ほど97種類のハーブを紹介しましたが、ジョージスチュアートティのハーブティーのラインナップは「カモミール・レモンマートル・ルイボス・タイム・スイートバジル」の5種類です。
市販されているハーブティーの中には複数のハーブをブレンドしたパッケージも多く見られますが、ジョージスチュアートティのハーブティーはハーブ単体の味・香りをしっかりと感じられる「単一ハーブ×5種類」という構成になっています。
また、この5種類をベースに好みのハーブを加えることで、オリジナルブレンドのハーブティーを楽しむことも可能です。
カモミール
ハーブティーの定番として知られるキク科のハーブです。
消炎・鎮静・腹痛などの緩和・ストレスや不安の解消・不眠解消などの作用があります。
身体を温める効果もあるため、風邪のひきはじめや冷えの改善にもおすすめです。
レモンマートル
乾燥した葉が強い柑橘系の香りを放つことで「レモンよりレモン」と称される植物。
原産国のオーストラリアでは、先住民のアボリジニが古くから薬草として利用してきました。
その抗菌作用・リラックス効果は、メディカルハーブ(=健康・美容のために使用するハーブ)としても注目されています。
ルイボス
身体をサビつかせる活性酸素を取り除くことから、若々しさを保つための健康飲料として注目されているルイボスティー。
花粉症・喘息・アトピー性皮膚炎などのアレルギー症状を改善する効果もあると言われています。
タイム
殺菌力に優れ、風邪・インフルエンザ・胃腸炎などの感染症に効果を発揮。
また、気管を拡張して浄化して痰を取り除くことから、気管支炎・喘息の症状を緩和する効果もあります。
消化促進作用もあるため、食べ過ぎたしまったときの胃のケアにも最適です。
スイートバジル
やさしい香味があり、料理用としてもイタリアをはじめ世界各国で利用されているハーブです。
消化促進・胃炎・胃痙攣・胃酸過多など、胃腸の諸症状を改善するのに役立ちます。
また、イライラ・不安・不眠症などを改善する効果もあると言われています。
その他ハーブを使用しているフレーバーティー
上記以外にもハーブを使用している商品がありますので、紹介します。
※以下の7種類はいずれもフレーバーティー(紅茶)です。
ハーブティーではございませんのでご注意ください。
おいしいハーブティーを楽しむための作法
ここまではハーブの種類と効果について説明してきましたが、よりおいしくハーブティーを楽しむためのポイントも合わせてお伝えできればと思います。
おいしいハーブティーのいれ方
まずは「ハーブティーのいれ方」ですが、特に難しいことをする必要はありません。
①ティーカップ(ティーポット)を事前に温めておく
②ティーカップ(ティーポット)にハーブを入れ、熱湯(95℃以上)を注ぐ
③フタをして蒸らす(抽出時間の目安は3分程度)
ハーブから味・香りをしっかりと抽出するためには、「熱湯(95℃以上)を使用すること」と「なるべく高温を保ったままハーブを蒸らすこと」の2つが重要です。
蒸らしている間は外気を遮断できればいいので、フタつきのティーセットがない場合はラップなどで代用しましょう。
飲みごたえがイマイチな場合はさらに1~2分ほど抽出時間をとってもOKです。ただし、長すぎると雑味が強くなりますので注意してください。
ハーブティーのブレンド・アレンジを楽しむ
繰り返しになりますが、市販されているハーブティーの中には複数のハーブをブレンドしたパッケージも多く見られます。
その理由は、複数のハーブをブレンドすることでハーブごとに異なる効果を効率よく得られるだけでなく、味わいも豊かになるからです。
また、紅茶・牛乳・はちみつ・ドライフルーツなどを加えたアレンジもハーブティーの楽しみ方の1つです。
以下に2つのレシピを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
ハーブティーを楽しむうえでの注意点
「おいしい」「様々な悩み・症状を緩和してくれる」。いいことだらけのハーブティーですが、いくつか注意点もあります。
健全にハーブティーを楽しむためにも、きちんと把握しておきましょう。
過剰摂取は禁物
悩み・症状を緩和するハーブの効果は、薬のように即効性のあるものではありません。また、摂取量を増やしたからといって効果が大きくなるものでもありません。
短期的な過剰摂取には副作用・アレルギーを引き起こすリスクがありますので、絶対にやめましょう。
体質的に合わない場合がある
ハーブの種類によっては、そもそも体質的に合わないケースも多いです。
特に持病のある方や妊娠中の方は、摂取する前に医師などの専門家へ相談していただくことを強くおすすめします。
カフェインを含むハーブティーもある
ハーブティーの中には、紅茶やコーヒーのようにカフェインを含むものもあります。
もちろん「いれ方」にもよりますが、ジャスミン茶やマテ茶には紅茶と同程度のカフェインが含まれているケースも多いです。
また、大手飲料メーカーが販売している商品の中には、緑茶や紅茶をベースにあくまでも香りづけとしてハーブを使用しているものもあります。
健康上の理由によりカフェインの摂取を控えている方は「ハーブティーはノンカフェインだから大丈夫」と盲信せず、かならず医師などの専門家にご相談のうえでハーブティーをお楽しみください。
正反対の効果をもつハーブ同士のブレンドに要注意
独自のブレンドでハーブティーを楽しもうと思っている方は、ハーブ同士の相性に注意してください。
・ジンジャー:苛立ち、疲労、風邪、胃もたれ、冷え
・スイートバジル:気落ち
たとえば、ジンジャーの「イライラを抑える効果」とスイートバジルの「落ち込んだ気分を高める効果」は正反対ですよね。
この2つを組み合わせると、効果が相殺されてどちらの効果も得られなくなってしまいます。
ハーブをブレンドする場合は味・香りの相性だけでなく、それぞれの効果も踏まえたうえで組み合わせるようにしましょう。
以上、今回のコラムはハーブティーの話でした。
最後にお伝えしたとおり気をつけなければいけない点もいくつかありますが、適量のハーブティーを適切なペースで楽しむことは手軽に取り入れられる健康習慣です。
まずは日々の「コーヒー1杯」をハーブティーに置き換えるところから始めてみてはいかがでしょうか。